1. デビューインパクト:「MEOW」シンドローム

MEOVVの第一印象は、まさに「強烈」の一言でした。2024年9月6日、デビューシングル
'MEOW'でK-POPシーンに登場した彼女たち。「テディガールズグループ」という肩書きだけでも十分な注目を集めていましたが、その期待を裏切らないインパクトでした。'MEOW'のMVは公開直後から再生回数を急伸させ、瞬く間に1000万回再生を突破、YouTubeの人気急上昇動画1位を獲得するなど、その話題性の高さを証明しました。SBS「人気歌謡」をはじめとする音楽番組への出演もすぐに開始し、一気にシーンの中心へと躍り出たのです。
楽曲'MEOW'自体も、「ミニマルなサウンド、鋭い洗練美」「中毒的なメロディー」「魅力的なベース」といった要素が高く評価されました。MEOVVならではのユニークで感覚的なサウンドと立体的なアイデンティティを提示し、質の高いパフォーマンスの幕開けを告げたと言えるでしょう。歌詞には英語が多く含まれ、"Wons and yens and dollars / Comma comma comma" のように富への野望を感じさせるフレーズもあり、グループの自信に満ちた堂々としたイメージ構築に一役買いました。
クレジットを見ると、総括プロデューサーであるテディ(TEDDY)は作詞に名を連ねているものの、作曲や編曲には主に24、JumpaといったTHEBLACKLABEL所属の信頼できるプロデューサー陣が関わっています。これは、テディがグループ全体の方向性やコンセプトメイキング、ブランディングを主導しつつ、実際の楽曲制作は実力派プロデューサーたちとの緊密な連携で行うという、THEBLACKLABELの制作システムを示唆しています。MEOVVの音楽は、まさにテディの大きなビジョンと、才能あるプロデューサーたちの感覚が融合した「THEBLACKLABELサウンド」の結晶なのです。
2. 所属事務所:THEBLACKLABEL深層分析
MEOVVが所属するTHEBLACKLABELは、K-POPシーンにおいて独特の存在感を放つレーベルです。元1TYMメンバーでYGエンターテインメントのメインプロデューサーだったテディ・パクが2016年に設立。当初はYG傘下でしたが、2020年頃に独立し、現在はテディが筆頭株主兼総括プロデューサーとしてレーベルを率いています。
その名の通り、ヒップホップやR&Bといった「ブラックミュージック」を基盤としつつ、次第に「テディだけのスタイル」とも評される独自の音楽カラーを確立。アーティストの自由な創作活動を支援することを目標に掲げています。所属アーティストには、チョン・ソミ、BIGBANGのSOL、そして個人活動契約を結んだBLACKPINKのROSÉといったトップスターが名を連ね、Vince、LØRENなどの個性派ミュージシャン、さらには俳優パク・ボゴムやイ・ジョンウォンも所属し、マネジメント領域を拡大しています。
強力なアーティストラインナップを支えるのは、テディを筆頭にKUSH、24、R.Teeなど実力派プロデューサー軍団です。彼らがTHEBLACKLABEL特有のサウンドを生み出す原動力となっています。近年はグローバル市場への意欲も明確で、大規模なグローバルオーディションを実施。MEOVVもデビューと同時にユニバーサルミュージック傘下のキャピトルレコードとパートナーシップを結び、世界市場への足掛かりを築きました。THEBLACKLABELは、単なるYGの関連会社ではなく、テディのビジョンの下で厳選された独立したパワーハウスへと進化しており、MEOVVはその強力なバックアップを受けているのです。
3. メンバー紹介:五匹の猫たち
MEOVVは、スイン、ガウォン、アンナ、ナリン、エラの5人のメンバーで構成されています。平均身長168.7cmと高身長で、それぞれ異なる魅力を持つ「猫顔」ビジュアルが特徴です。メンバー構成は非常に戦略的で、多様な国籍(韓国、米国、日本)、年齢層(2005年~2008年生まれ)、そして異なる強み(ボーカル、ダンス、ラップ、ビジュアル、経歴)を組み合わせています。以下に各メンバーの概要をまとめます。
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スイン (Sooin / 2005年生 / 韓国): メインダンサー候補。綺麗なダンスラインとハスキーボイスが魅力。練習生期間6年。
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ガウォン (Gawon / 2005年生 / 韓国・米国): メインボーカル候補。ソウルフルでポップな歌声。元YG練習生。練習生期間5年。
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アンナ (Anna / 2005年生 / 日本): ボーカル・ダンサー。清純な歌声と力強いダンス。元日本モデル(Seventeen専属)。
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ナリン (Narin / 2007年生 / 韓国): オールラウンダー(リードボーカル/ラッパー/ダンサー)。ユニークな音色と高いラップスキル。語学堪能。練習生期間4年。
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エラ (Ella / 2008年生 / 韓国・米国): ボーカル・ダンサー、潜在的なグループの顔。ポップな歌声。元有名子役モデル/俳優(経歴11年、'リトルジェニー')。
特に、エラのデビュー前の高い認知度はグループ初期のファン獲得に大きく貢献し、ガウォンのYG練習生経歴やアンナの日本でのモデル活動歴は、メンバーそれぞれのストーリーを豊かにしています。このように多角的な魅力を持つメンバー構成は、デビュー当初から国内外の多様なファン層にアピールしようというTHEBLACKLABELの意図がうかがえますね。
4. カムバック詳細:「HANDS UP」と初EP
いよいよMEOVVの新しいチャプターが始まります。カムバックのカウントダウンはすでに始まっており、2025年4月28日(月)午後6時(KST)には、先行公開シングル'HANDS UP'がリリースされます。これが今回のカムバック活動の幕開けとなります。
そして、この先行公開は、MEOVVにとって記念すべき初のEPアルバム『MY EYES OPEN VVIDE』へのプレリュードです。正式なEPアルバムの発売日は、2025年5月12日(月)午後6時(KST)に予定されています。
今回のカムバックは、MEOVVにとっていくつかの重要な意味を持っています。デビューシングル'MEOW'と、続く'TOXIC' / 'BODY'がデジタルシングルだったのに対し、今回は初のEPアルバムであり、初のフィジカル(CD)アルバムの発売となります。フィジカルアルバムの売上は、K-POPファンダム文化においてグループの人気やファンの結束力を示す重要な指標であり、音楽チャートの成績にも大きく影響します。すでに各種オンラインサイトでは予約販売が始まっており、ファンの期待の高さがうかがえます。
カムバックのタイミングも興味深い点です。昨年11月の活動以来、約5ヶ月ぶりとなり、デビュー後わずか2ヶ月での超高速カムバックだった前回とは異なり、より標準的なカムバック周期となっています。これは、デビュー活動を経てグループのアイデンティティを固め、次のステップに向けてじっくりと準備を進めてきた期間があったことを示唆しているのかもしれません。
5. 新曲サウンド予測:「HANDS UP」への期待
先行公開される'HANDS UP'のサウンドは、ファンにとって最大の関心事でしょう。所属事務所THEBLACKLABELは、この曲についてMEOVVの「独自のカラー」、「前例のない音楽」、「新鮮なサウンド」を含んでいると予告し、期待感を高めています。公開されたティーザー映像からは、「ユニークなサウンド」とメンバーたちの強烈なオーラが融合した、エネルギッシュな楽曲であることがうかがえます。
具体的なジャンルはまだ明かされていませんが、ティーザーやチャレンジ映像で見られる「華麗なリズムと独特なサウンド」、そして力強いパフォーマンスは、これまでの'MEOW'や'TOXIC'/'BODY'とはまた異なる魅力を持っていることを予感させます。ティーザーで公開された "i see you look at me / now hands up break the sky open / put your hands up break the sky / let the song more do throw it up" という歌詞からは、活気に満ちた躍動的な雰囲気が伝わってきます。もしかしたら、ファンと一緒に盛り上がれるような、フェスティバル感のある楽曲なのかもしれませんね。プロダクションについても、デビュー曲同様、THEBLACKLABELの実力派プロデューサー陣が参加していると考えられ、クオリティの高いサウンドが期待されます。
6. MEOVVの今後の展望

今回の初のEPアルバム『MY EYES OPEN VVIDE』のリリースは、MEOVVにとって大きな節目となるでしょう。デビューシングルで強烈な第一印象を与え、続く楽曲で音楽性の片鱗を見せた彼女たちが、まとまった作品集を通じてどのような世界観と音楽的アイデンティティを提示するのか、非常に注目されます。フィジカルアルバムの発売は、コアファンダムの規模と熱量を測る試金石ともなり、今後のグループの活動規模や方向性にも影響を与える可能性があります。
今後の活動で注目すべき点をいくつか挙げてみましょう。
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EPアルバムの音楽的多様性:先行公開曲'HANDS UP'以外の収録曲で、どのようなジャンルやコンセプトに挑戦するのか。
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パフォーマンスの進化:デビュー活動で見せた高い完成度を維持しつつ、さらに進化したステージを見せられるか。
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グローバル市場での反響:キャピトルレコードとの連携を活かし、海外でのプロモーションやチャート成績がどうなるか。
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メンバー個々の活躍:アルバム活動を通じて、各メンバーの個性や魅力がどのように発揮されるか。
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ファンダムの成長:初のフィジカルアルバム発売が、ファンダム規模の拡大にどう繋がるか。
「テディガールズグループ」という期待とプレッシャーの中で、MEOVVがこのカムバックを通じてどのような成長を見せ、K-POPシーンにどのような新しい風を吹き込むのか、目が離せません。