SMエンターテインメントが設立30周年を記念して開催したSMTOWN LIVE 2025は、期待外れとの評価を受けています。
5時間にわたる長いランニングタイムにもかかわらず、SMの歴史を築いた伝説的なグループの完全体の舞台は見られず、未来志向の構成に偏りすぎた結果、セットリストのバランスが取れていなかったと指摘されています。
■ 不在の伝説たち
今回の公演で最も目立ったのは、少女時代とSHINeeの完全体が不在だったことです。
SMを現在の地位まで押し上げた中心的なグループの舞台が見られなかったことは、30周年記念コンサートとして大きな残念さを残しました。
特にテヨンが舞台に立つ意思を示しながらも、事務所からの支援を受けられなかったことについて言及したことで、SMのレガシー管理に対する疑問が浮上しました。
■ 不安定なセットリスト
公演の流れを妨げるセットリストの構成も問題視されました。
東方神起がRising Sunで力強い幕開けを飾ったものの、その後に続いた練習生の舞台で雰囲気が急激に冷めたと指摘されています。
また、SUPER JUNIORが大衆的なヒット曲ではなく、デビュー初期の収録曲を選んだことで、観客の没入感が薄れたという評価もあります。
■ 過剰な新人アピール
合計25人の練習生が3回にわたり舞台に立ち、さらに英国ボーイズグループ「Dear Alice」やバーチャルアイドル「Naevis」の舞台も挿入されました。
未来志向のコンセプトを強調しようとする意図は理解できるものの、公演の流れを分断し、観客の疲労感を高める結果になったとされています。
■ イ・スマンの不参加
イ・スマン元総括プロデューサーは「特別招待」を受けたにもかかわらず参加しませんでした。
メディアを通じて招待の事実を知ったという彼の発言は、現経営陣との不和説をさらに強調する結果となりました。
これにより、SMが自社の文化的遺産を適切に管理できていないという批判が浮上しました。
■ 部分的な成功舞台
BoAのHurricane Venusやaespaのヒット曲メドレーなど、一部の舞台は観客の反応を引き出すことに成功しました。
しかし、こうした盛り上がりも練習生や新人グループの舞台によって持続できなかったという評価です。
今回の30周年コンサートは、SMの未来像を示すことには成功したかもしれませんが、会社の歴史や伝統を適切に照らし出すことができなかったという物足りなさを残しました。
特にファンが期待していた伝説的グループの舞台不在は、大きな失望感を与えました。
業界では今回の公演が、SMの現在の経営方針を象徴的に表していると評価されています。
過去の栄光よりも未来の可能性に集中する戦略は理解できるものの、それが会社のアイデンティティや文化的価値を損なう結果を招いてはならないという指摘が出ています。